建物調査・診断とは
大型のマンションなどは、数年おきに定期報告が法律で義務付けされています。戸建て住宅はそのような定期報告の義務はありません。それは、大型の建物の場合、外壁モルタルの剥離落下や、タイルの剥離落下などにより、通行人や近隣住民に危害を与える影響が大きく、戸建て住宅と比べると危険の度合いも遙かに大きいことによります。しかし、戸建て住宅は規模が小さいからといって全く危険がないかといえば決してそのようなことはありません。いくら規模が小さくても、外壁や屋根部材の不具合等により、利用者や通行人、近隣住民に危害を与える場合もあります。
建物の維持保全は、「経年劣化による危害防止、資産価値の低下防止や、生活環境の維持等が目的です」。建物の大小にかかわらず、維持、保全の為には的確な修繕工事が必要です、工事を検討される前に、建物調査・診断を行い、建物の不具合等を把握してから工事内容を計画する方が効率的でかつ、安価です、是非建物調査、診断を利用しましょう。
建物調査には2種類の調査があり、予備調査と詳細調査があります。予備調査の目的は現地に行き、目視調査と建物図面、関係書類及び建て主とヒアリングを行い、具体的な建物の問題を解決するために必要な方策を検討するための調査です。現地調査後予備調査報告書で詳細調査の必要性や、問題解決の方策を提案いたします。
詳細調査とは、目視で見えるものから、外からではわからない隠れた不具合、建物の造り方の問題による不具合、劣化による不具合、損傷等、様々な原因を追及するための調査です。これらに基づき建物の不具合、劣化、損傷の程度など基本的な状況を把握し、そのデーターに基づき、修繕方法や修繕時期などの診断を行い、修繕方針の提案を行います。「見た目は大丈夫だから」と安心せず、定期的に建物調査、診断を行いましょう。それが後々の「安全性」や「価値下落防止」に繋がります。次に詳細調査、測定の具体例を示します。
コンクリート壁のひび割れ幅測定
構造部材の含水率測定
非破壊調査、鉄筋配筋、かぶり厚さ測定調査
構造部材の含水率測定
使用道具一覧
液晶モニター 付、工業用内視鏡
給水、排水配管内部の状況調査 、狭小箇所の状況の撮影、調査に使用します。
デジタル式ノギス
鉄筋、釘、ネジ等の径の正確な測定、調査に使用します。
デジタル照度計
室の明るさ、照度の測定に使用します。非常照明の床面の照度の確認に使用します。
レーザー 距離計
建物壁の長さ測定、天井の高さの測定等の建物の測量調査に使用します。
ポータブル型非接触温度計
非接触で離れた位置の表面温度の測定に使用します。
レーザーレベル 測定器
室内、外の水平面、垂直面の精度測定に使用します。
調査内容
耐久性診断
建物は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、耐久性に優れた材料、工法で造られていますが、建設後の年月の経過や気候条件等、様々な要因によって劣化が進行し、耐久性が低下します。耐久性診断とは、建物の耐久性に関する調査を行い、劣化の種類、程度を診断し、危険が見つかった場合には適切な提案をすることにより、建物の維持保全、安全の確保などに役立てる事を目的に行います。
外壁等劣化診断
建物外装がひび割れや汚れで見た目が悪くなってきた、外壁タイルやモルタルの浮きや剥離が気になる、など気になる所はございませんか?外壁は、雨や風、日射などから人々を守ってくれています。それだけに経年による外壁の劣化は非常に問題です。そのまま放置すると建物全体の寿命を縮める事になりかねません。最悪の場合、思わぬ事故につながる危険性があります。定期的な調査、診断をすることで建物劣化の早期発見、早期治療に役立ちます。
赤外線サーモカメラ撮影調査による、外壁剥離診断
赤外線熱画像装置の仕様概要 | |
メーカー名 | NEC三栄株式会社 |
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型式 | サーモトレーサTH7100/TH7102MV |
温度測定範囲 | -20℃~250℃ |
最小検知温度差 | 0.08℃ |
設備劣化診断
調査内容に適した機材を利用し、配管等の設備機器の劣化状況の確認や、寿命推定の総合的な診断を行います。ライフラインの劣化による問題は、そこに住まわれる方たちの信頼さえも失いかねない問題です。定期調査を欠かさないようにしましょう。
下水道配管劣化状況調査、事例写真
給水配管の漏水事故の事例
給水配管のカットサンプルを採取した事例、内側の錆、配管の割れの状況。
耐震診断
耐震性を事前に確認し、耐震性に乏しいことが判明した場合には耐震改修をするなど、大地震が起こる前に対策を立てておくことは、非常に重要だといえます。又、耐震診断を行い、耐震改修を行った場合には、地震による被害が少なく、復旧費用が少なくて済むことも期待できますので、「事前対策」としての耐震診断の実施をお勧めいたします。
赤非破壊調査、サーモグラフィーによる、耐震診断事例
赤外線熱画像装置の仕様概要 | |
メーカー名 | NEC三栄株式会社 |
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型式 | サーモトレーサTH7100/TH7102MV |
温度測定範囲 | -20℃~250℃ |
最小検知温度差 | 0.08℃ |
赤外線サーモグラフィーによる、「補強材(柱・筋交)の確認、漏水、壁内結露、断熱材の欠損」の検証
予備調査、詳細調査の流れ
STEP1
お問い合わせ
電話またはメールにてお問い合わせください。
電話でのお問い合わせの際は、あらかじめお手元に建物確認申請書、建物図面をご用意頂くとスムーズです。
STEP2
予備調査日時の調整
予備調査を依頼する日時をお伝えください。
STEP3
書類の準備
予備調査時には建築確認申請書、検査済証や建物図面をご用意ください。
ない場合でも可能ですので、事前にご相談ください。
STEP4
予備調査報告書
予備調査に基づき、詳細調査の必要性、詳細調査に必要な費用等の予備調査報告書を提出いたします。
検討の上詳細調査を行うか判断をお願いいたします。
STEP5
詳細調査、調査日時の調整
調査内容、費用、調査日時の承認を願います。
STEP6
詳細調査の実施
調査期間は通常3日間程度です。
連続して3日間が経済的ですが、都合により難しい場合は事前にご相談ください。
STEP7
報告書作成、報告書提出
現地調査後、報告書の作成にかかる作業時間は約1ヶ月間を要します。
STEP8
損害の請求等
建物の不具合等に瑕疵が確認された場合については、損害の請求を行うことになります。
この場合は、提携先の弁護士のご紹介をいたします。
STEP9
補強、改修設計
建物の補強、改修を行うことが決まった段階においては、補強設計及び改修設計のご依頼も受けております。
ご相談ください。
STEP10
補強、改修工事監理
補強、改修工事の実施が決まったら、工事監理についてもご依頼も受けております。
ご相談ください。
STEP11
アフターフォロー
補強、改修設計及び工事監理を行った場合、工事完成後のアフターフォローについても、ご相談に応じております。
実績紹介
調査、診断の料金を教えてください。
予備調査作業時間はどの程度かかりますか?
予備調査報告書を受け取った跡はどうすればいいですか?
建物の図面がない場合は、調査は出来ないのでしょうか?
作成する場合は、現地調査を行い、図面を作り直す費用が別途必要になります、ご相談ください。